いわゆる「開け口」について
2000年代に入って以降、大手メーカーの商品は、開封しやすいよう袋の一部に切り込みを入れてあるものが
主流になっています。

それまで、添付のスープや調味油の小袋に切りこみを入れてあるのは一般的でしたが、外袋にわざわざ開け口を付ける例は少なかったんじゃないでしょうか。一部分に切り込みを入れるのではなく、袋の四辺のうち二辺を ギザギザに裁断したものは、「中華三昧」をはじめそう珍しいものではありませんでしたけども。

「開け口」を意識したのは2004年の夏ごろのことです。それまでにも、導入しはじめたメーカーがあることはなんとなく認識していましたが、それを「開け口ヴァージョン」としてコレクションの対象にしようという発想にはつながらなかったんですね。だってそんな、ちょっと切り込みが入ったというだけのことですよ?(笑)

2004年になにがあったかというと、明星食品がレギュラー商品各種のパッケージをそれまでの横型から縦型に一新、それに伴って上下の辺をギザギザに裁断した「ギザギザタイプ」にリニュアルしたんですね(正確には、横パケの最後のころにギザギザ裁断は始まっていました)。

ギザギザタイプにまでなると、印刷デザインは変わっていないとはいえ、さすがにこれは見逃せないマイナー チェンジだと気づきました。
さっそく明星のレギュラー商品のギザギザタイプを集めにかかりましたが、そうすると今度は他社の「開け口」付きものも集めにゃならんよな…? という気分になってくるものですから不思議です。おりしも、それまではただ切り込みが付いただけだったものに、その部分を示した「▲あけくち」といった表示が印刷デザインとして加わるようになってきました。

こうなるともうはっきりとした「開け口ヴァージョン」としてコレクション対象とみなす流れができてきました。コレクター仲間のとろ郎さんとも協力して、各社の開け口ヴァージョン製品の調査・収集はその後数年間にわたりました。

さてその開け口ですが、大手メーカーで最初にこれを導入したのは、どうやらサンヨー食品だったようです。我々で確認できたものとしては、「おいしい麺屋さん」しお味の2001年2月製造分がすでに切り込み入りに
なっていました。
もっとも、その時期以降のものはすべて開け口付きかというとそうでもなく、付いていたり付いてなかったりと混在の状況がしばらく続きます。メーカーとしても開け口が付いたことを特に宣伝するわけでもなく、人知れずひっそりと導入されていきました。

「あけくち」「開け口」「きりくち」など、表示のしかたもさまざまです



サンヨー食品は谷型の開け口ではなく、
カッターでちょっと切り込みを入れた
ような独自のタイプです



同じメーカーでも、切り込みの角度が
微妙に違っているものがあったりします



韓国ものはまた独特の四連タイプです。
山型といっていいのか谷型といって
いいのかよくわかりません(笑)

【インスタントラーメン袋の世界】
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