JASマークの「日即食協」ヴァージョンについて
わが国のインスタントラーメン商品には、日本農林規格適合を証明するJASマークが入っているものが多数あります。
このJASマークには、日本即席食品工業協会による登録を受けたことを意味する表示も併せて付いています。

このパッケージ上の表示のしかたが、2005年後半ごろから一部変更されました。従来は「社団法人 日本即席食品工業協会 印刷登録番号00号」と長ったらしい表記だったわけですが、新方式ではただ「日即食協 No.00」と省略されています。
ま、ただそれだけのことと言えばそれだけのことなんですけど、文字数が極端に減ってしまったことからパッケージ上に占める面積がぐっと小さくなりました。
そのため、パッケージ全体を見た場合の印象がけっこう大きく違ってくるんですねこれが。袋のコレクションをしていくうえで現象として目に見える部分ですし、その変化はわりと顕著だといえます。

2006年の2月ごろに気がついてさっそく各メーカーの商品を気をつけて見ていきましたが、どうも一斉に切り替わっているわけではありませんでした。主に新製品が出たときに、そのパッケージのJASマークが短縮表示に変わっているだけで、従来品はそのまま、という場合がほとんどでした。

私の考えでは、JASマーク表示を "日即食協" と「省略することもできる」といったような取り決めなんじゃないでしょうか。メーカーとしては、何月何日をもって一斉に表記を切り替える必要は特に無い、というような。そのため、パッケージ用のフィルムシートの在庫がある限りは旧来の表示のままにして、これがなくなって新たに印刷をかけるときに略称に差し替える、といった流れではないかと思います。
メーカーとしては、印刷用の版を新たに起こすのにもコストはちゃんとかかるでしょうから、なにかパッケージデザインを変更したときについでに書き換えればいいやという感じで、けっこうゆるやかに差し替わっていきました。
JASマークの謎
そもそもこのJASマークとはなにか…? とちょっと気にはなりますけど、専門的といいますか業界内部の話になるんで私にはよくわかりません。
特に詳しく調べたわけではないので確かなことではありませんが、おそらく即席めんの業界団体である日本即席食品工業協会(日即食協)は、加盟メーカーから委託を受けて日本農林規格への登録業務を行っているんだろうと思います。メーカーは、JASマークを付けたい商品を日即食協に申告し、日即食協はこの商品を検査したうえで、基準を満たした商品のデータを国の日本農林規格に登録する。メーカーとしては検査料・登録料を日即食協に支払い、日即食協はこの検査登録料を主な収入源としている…といったところじゃないでしょうか。
そのうち関係者から話を聞く機会でもあれば、確かめてみたいと思います。
【インスタントラーメン袋の世界】
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